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子育て支援について思う

先進国では、子育てにかかる費用が高額であるため、多くの国が家族手当などの支援制度を導入しています。日本でも、企業が家族手当や住宅費補助を支給していましたが、最近では額が減らされ、管理職になると支給がなくなる傾向があります。また、中小企業はそうした支援を出す余裕がなく、子供が増えないという課題があります。

このような状況を改善するために、日本政府が家族手当を支給することは、一定の意義があるかもしれません。公務員は既に家族手当を受け取っているため、民間企業の労働者にも同様の支援を与えることで、育児負担の軽減や出産率の向上を促進することが期待されます。また、中小企業にも支援が届くよう、国や自治体が補助金を出すことで、より幅広い層に支援を届けることができると思います。

ただし、家族手当だけでなく、育児休業制度や保育所の充実など、より総合的な子育て支援が必要であることも忘れてはなりません。社会全体で子育てを支える取り組みが求められます。

 

G7各国の子育て支援金額、子育てにかかる費用、子育て家族の平均年収を調べてみましたので紹介します。

 

◇各国の子育て支援の金額

支給条件や家族構成などによって異なります。以下にいくつか例を挙げます。

各国の子育て支援給付金の金額を日本円に換算したものを示します。なお、為替レートは2023年2月24日時点のものを使用しました。

 

アメリカ】

・支援給付金:Child Tax Credit

・支援給付金額:1人目から2人目まで約32,700円、3人目以降は約38,300円(月額)

【カナダ】

・支援給付金:Canada Child Benefit

・支援給付金額:1人目は約54,500円、2人目からは約84,000円(月額)

【フランス】

・支援給付金:Allocations familiales

・支援給付金額:1人目約1,300円、2人目からは約2,100円(月額)

【ドイツ】

・支援給付金:Kindergeld

・支援給付金額:1人目から2人目まで約25,300円、3人目以降は約26,100円(月額)

【イタリア】

・支援給付金:Assegno per il nucleo familiare

・支援給付金額:家族構成や収入に応じて異なるため、具体的な金額は計算が必要です。

【日本】

・支援給付金:児童手当

・支援給付金額:1人目は約15,000円、2人目からは10,000円(月額)

 

◇各国の家族手当を支給される人の人数や総額、国家予算に対する割合

国や地域、支給条件によって異なります。以下に、各国の家族手当に関するデータや統計情報を紹介します。

 

フランス: 2021年には約720万人が家族手当を受け取っており、総支給額は年間約230億ユーロ(約2.9兆円)に上っています。国家予算に占める割合は約7.5%になります。

ドイツ: 2020年には約1160万人が子育て手当を受け取っており、総支給額は年間約260億ユーロ(約3.2兆円)に上っています。国家予算に占める割合は約7.5%になります。

イギリス: 2020年には約400万人が子育て手当を受け取っており、総支給額は年間約340億ポンド(約4.9兆円)に上っています。国家予算に占める割合は約11.5%になります。

カナダ: 2021年には約640万人が子育て手当を受け取っており、総支給額は年間約100億カナダドル(約880億円)に上っています。国家予算に占める割合は約1.2%になります。

これらのデータはあくまでも参考値であり、国や地域、支給条件によって異なります。

日本で家族手当を受け取ることができる人の数は、2021年5月現在で約270万人程度とされています。ただし、具体的な数字は政府が公表していないため、正確な数値は不明です。家族手当は、子どもを養育するために必要な経費を支援する制度であり、受給資格や支給額については、所得や子どもの年齢などによって異なります。

 

◇子供が成人するまでにかかる費用

アメリカ合衆国:約233万ドル

カナダ:約206万ドル

フランス:約129万ユーロ

ドイツ:約16万ユーロ

イタリア:約18万ユーロ

日本:約2400万円

イギリス:約24万ポンド

これらの数字は高等教育まで受けさせるための平均的な数字、子供の教育費、住居費、食費、保険料、医療費、交通費、娯楽費など、子育てに必要な多くの費用を含んでいます。

費用の日本円換算です(為替レートは2023年2月24日時点のものを使用しました)。

米国:2,166万円

日本:2,644万円

ドイツ:2,010万円

英国:2,475万円

フランス:2,310万円

イタリア:2,079万円

カナダ:2,462万円

※注意:上記の金額はあくまでも参考値であり、個々の家庭での費用は異なります。また、各国の統計データによって異なる場合があります。

 

◇20代から40代の家族の平均年収は次の通り。

アメリカ】

・年収:約610万円(2019年)

【カナダ】

・年収:約550万円(2018年)

【フランス】

・年収:約380万円(2017年)

【ドイツ】

・年収:約460万円(2019年)

【イタリア】

・年収:約310万円(2019年)

【日本】

・年収:約440万円(2020年)

【イギリス】

・年収:約470万円(2019年)

 

◇国への要望

以上の数字から、家族は子育てに苦労しています。日本で2人育てると約5,200万円かかる計算になります(信じられません)。

1年で1人130万円かかるとして計算してみます。

夫婦2人で共稼ぎして手取り収入が30万円とした場合、1年で360万円。それで子供1人に130万円かかったら、残りは230万円です。家賃が月10万円で1年で120万円、残り110万円で生活すると考えると、光熱費、食事代、衣類、その他も出費が必要です。旦那の小遣いは2万円から3万円程度になるかと思います。貯金をする余裕はありませんので、子供1人を育てるだけでもせいっぱいになってしまいます。

高度成長期に働いて頑張られた70歳後半以上の方々は給与が毎年のように上がり、また税金も安く良い時代を生きてこられたと思います。今、20代から40代にかけて子供を育てる夫婦は給与が少なく子育てできる環境に全くありません。

子供が増えないのは、給料が少ないためです。基本給が低いのはもちろんのこと企業が残業代を払いたくないのに対して、年金、保険、税金が高いため、負担が大きい状況が続いています。

過去20年以上にわたり、政府や国が子育て世代に対して、十分な支援がなかったため、今の状況に至っていると考えます。日本はG7の国のなかで子育て支援金の額がすくないほうです。子供一人あたり、最低月に3万円の手当を国が出すべきだと思います。また、家族がいる従業員を多数採用している企業に対しては、法人税率を低く設定することができ、さらに企業は家族手当を廃止することも考えられます。国が子育て支援に力を入れることで、より良い社会を実現することができると思います。

 

◇出典

アメリカの子育て手当の金額:アメリカ合衆国保健福祉省のウェブサイトより

カナダの子育て手当の金額:カナダ政府のウェブサイトより

イギリスの子育て手当の金額:イギリス政府のウェブサイトより

フランスの子育て手当の金額:フランス政府のウェブサイトより

イタリア関連の金額:イタリア政府のウェブサイトより

日本の子育て手当の金額:厚生労働省のウェブサイトより

各国の子供一人が成人するまでにかかる費用:OECD経済協力開発機構)の「家計調査」から算出されたものを、各国の政府ウェブサイト等を参考にしてまとめたものです。ただし、各国の費用については、概算値であり、実際には地域や家庭の状況によって異なることがあります。