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金沢シーサイドラインの事故について思うこと

2019年に横浜で起きた金沢シーサイドラインの事故と、同事故を起こした車両メーカーの技術者の先日の書類送検を受けて、下に示す報告書を再度読んでみました。

安全分析の重要性」と「コミュニケーションの重要性」を浮き彫りにしたと考えます。

 

同事故の国土交通省の安全委員会の報告書

https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/p-pdf/RA2021-1-1-p.pdf

 

この事故を受けて、日本の車両メーカーは、安全分析手法をより重視し、より安全な製品やシステムの開発に取り組む必要があると思います。

このケースでは、鉄道事業者や装置、部品メーカーも、その安全分析に協力し、安全性を確保する必要があったと思います。

システムインテグレータとして責任は重たいと思いますが、事故の原因を車両メーカーのみとするのはよくないと考えます。もちろん、車両メーカーは安全分析をリードし、部品メーカに安全に関係する装置の機能について問い合わせとその機能に問題がないことを確認しないといけません。

装置、部品の機能によっては、車両の安全が担保されないおそれがあるため、装置、部品メーカーはそのことを車両メーカーとコミュニケーションしないといけません。

鉄道事業者は、保守(故障や断線確認など)がしやすいよう車両メーカに要求しなければなりません。その要求が実現されていることを確認しなければなりません。さらに、車両メーカーと装置部品メーカー間のコミュニケーションがうまく行われていることを監視しなければなりません。また、車両メーカーから安全分析の結果を受けて、それで十分であるかどうかを判断しなければなりません。

付け加えると、日本の大学や研究機関は、安全分析や信頼性工学に関する研究や教育を充実させ、関連する知識やスキルを持つ人材(社会人の教育も含む)を育成する必要があります。

そして、国民も企業も、安全性を重視し、それに見合ったコストや労力を惜しまない姿勢を持ったり、安全な社会の実現に関与していく必要があると思います。