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日本のLSI設計と大学での講義レベルの低さ

日本発の本格的な半導体ファウンドリが始動(津田建二) - 個人 - Yahoo!ニュース

この評論家のコメント記事を読んでいて、この方、設計のことがよく分かっていないと思った。

自分はLSI設計技術と設計と検証を長い間してきた。

この方は、日の丸半導体会社会社設立の傍ら心配なのは「設計」であるとおっしゃった。

そこまではよいが、

「論理合成」「高位合成」を使える人材育成が必要という。

これらツールは今や、世界中、電子工学系の大学を卒業したエンジニアならちょっと勉強すればだれでも使えるもの。ちなみに、これらツールは今や、インド、中国、台湾の技術者の方がうまく使えている。

これらツールは、大学3年で教えればよいこと。

さらに、今の設計は機能的な部品化(回路記述がすでにできたライブラリ)が進んでいるので、

アナログ回路は、部品化が進んでいないため、アナログ回路設計の基礎を教えてないといけない。

そして、デジタルとデジタル・アナログ混在回路では、

・CPUをゼロから設計できる人。

・アナログデジタル、デジタルアナログ変換回路が設計できる人。

・フィルタ回路が設計できる人。

を育てる必要がある。

ツールを使う人は、大学で教育しなくてもよく、いいかえればののこぎり、かんなが使える人でなく、これらをつかってためになる家具を作れる人を育てないといけない。

 

日本の著名なコメンテータのレベルが低く、真実をついていないため、彼らの意見をうのみしているから日本が没落している気がしてていてつい書いてしまった。

さらに、工学系大学の教育改革が必要そうである。

すでにあるものを使うことではなく、ゼロから考えて物作りができる人を育てないといけない。

例を挙げると、

慶応大学理工学部3年のLSI回路設計の授業

LSI回路設計Ⅰ | シラバス・時間割 (keio.jp)

 

スタンフォードのVLSI設計基礎 online  or E272

https://online.stanford.edu/courses/ee272-design-projects-vlsi-systems-i

Stanford University Explore Courses

 

慶応大学とスタンフォード大学LSI設計の講座を比べてみてわかるのは、

慶応大学:何のCAD、何を教えているのかわからない。20年前の教科書を使っている。

スタンフォード大学:デジタルDNNチップを設計、Verilog言語、高位合成、アナログ回路設計(Virtuosoを使った設計)を教えている。

スタンフォードの講座は、スキルとして何が身に付くのかが書いてあるが、慶応の講座には書いていない。

日本の一流大学がこのよう講義(の紹介)をしていては先が思いやられます。

日本の大学の先生方も、世界の一流大学がどのような講義をしているのかを勉強され、世界で通用する技術者を育て頂きたいと思います。